シングルマザー・シングルファーザーの支援制度まとめ|毎月最大15万円の給付金も

目次

7. 生活費補助・貸付制度

母子父子寡婦福祉資金貸付金

この制度は、ひとり親家庭の経済的自立と生活の安定を支援するための貸付制度です。低利または無利子での借入が可能で、様々な用途に対応できる柔軟な制度設計となっています。

貸付金の種類と特徴:
生活資金は、ひとり親家庭の日常生活を支えるための重要な支援となります。この資金は、生活の立て直しや一時的な困窮時の支援として活用できます。

貸付限度額と条件:

  • 月額上限:10.8万円
  • 据置期間:6か月
  • 返済期間:8年以内

特に重要なのは、据置期間が設けられていることです。これにより、生活の立て直しや就職活動に専念する期間を確保することができます。また、返済期間も比較的長く設定されているため、無理のない返済計画を立てることが可能です。

事業開始資金の活用:
自営業の開始や事業の拡大を支援する資金として、事業開始資金の貸付も行われています。この資金は、以下のような用途に活用できます:

設備投資への対応:

  • 店舗の賃借料
  • 必要な機械・設備の購入
  • 商品仕入れ資金
  • 広告宣伝費

貸付限度額は289万円となっており、事業計画の内容に応じて必要な金額を借り入れることができます。返済期間は7年以内となっていますが、事業の収益性を考慮しながら、適切な返済計画を立てることが重要です。

資金の活用例:
美容師の資格を持つひとり親が開業する場合:

  • 店舗改装費:150万円
  • 美容設備購入:100万円
  • 運転資金:39万円
    合計289万円の貸付を受け、段階的に事業を展開していくケースなどが考えられます。

生活福祉資金貸付制度

この制度は、低所得世帯を対象とした社会福祉協議会による貸付制度です。ひとり親世帯の場合、より柔軟な条件での利用が可能となっており、様々な生活場面での経済的支援を受けることができます。

総合支援資金の詳細:
生活の立て直しのために必要な生活費用の貸付を行う制度です。失業や収入の減少により生活が困窮している場合に、生活再建までの一時的な支援として活用できます。

貸付内容と条件:

  • 貸付限度額:月額20万円以内
  • 貸付期間:3ヶ月以内
  • 据置期間:6か月以内
  • 返済期間:最長10年
  • 利率:無利子(保証人がいない場合は年1.5%)

生活再建プランの作成:
貸付にあたっては、社会福祉協議会の相談員と一緒に具体的な生活再建プランを作成します。このプランには以下のような内容が含まれます:

収入の安定化計画:

  • 就職活動のスケジュール
  • 職業訓練の受講計画
  • 資格取得のスケジュール
  • 収入見込みの試算

支出の見直し計画:

  • 固定費の削減方法
  • 生活費の適正化
  • 子どもの教育費計画
  • 返済計画の策定

このように、単なる資金の貸付だけでなく、生活全般の立て直しを支援する総合的なプログラムとなっています。相談員による定期的なフォローアップも行われ、計画の進捗状況に応じて必要な支援やアドバイスを受けることができます。

緊急小口資金の活用:
急な出費や一時的な資金需要に対応するための貸付制度です。比較的少額の資金を、簡単な手続きで借りることができます。

対象となる費用の例:

  • 医療費の一時的な支払い
  • 子どもの学校行事の費用
  • 急な修理代
  • 冠婚葬祭費用

貸付条件の詳細:
緊急小口資金は、急な出費に対応するため、審査から貸付までの期間が短く設定されています。

具体的な条件:

  • 貸付限度額:10万円以内
  • 返済期間:1年以内
  • 据置期間:2か月以内
  • 利率:無利子

この制度の大きな特徴は、申請から貸付までのスピードの速さです。通常、申請から1週間程度で資金を受け取ることができます。また、無利子での貸付であり、返済負担を最小限に抑えることができます。

ひとり親家庭生活支援給付金

この制度は、ひとり親家庭の生活基盤の安定を目的とした給付金制度です。返済の必要がない給付型の支援であり、世帯の状況に応じて様々な給付を受けることができます。

基本給付の内容:
児童扶養手当受給世帯を対象とした給付金で、以下のような特徴があります:

給付額の決定方法:

  • 第1子:5万円
  • 第2子以降:1人につき3万円を加算
  • 家計の急変時は追加給付あり

この給付金の重要な点は、申請のタイミングです。支給要件を満たしていても、申請を行わなければ給付を受けることができません。そのため、対象となる可能性がある場合は、早めに相談窓口で確認することをお勧めします。

追加給付の活用:
基本給付に加えて、特に支援が必要と認められる場合には追加給付を受けることができます。

追加給付の対象となる状況:

  • 収入が大きく減少した場合
  • 災害等で被害を受けた場合
  • 病気や怪我で働けない場合
  • 子どもの進学時期と重なる場合

追加給付額は、世帯の状況や必要性に応じて決定されます。基本給付と合わせて最大で10万円程度の支援を受けることができ、生活の立て直しや緊急時の対応に活用できます。

生活保護制度の活用

生活保護は、最低限度の生活を保障し、自立を支援するための制度です。ひとり親世帯の場合、子どもの健全な育成のために必要な支援として、より柔軟な対応が行われています。

支援の種類と内容:
生活保護による支援は、世帯の状況に応じて複数の扶助を組み合わせて提供されます。

生活扶助の基本:
この扶助は、日常生活に必要な費用をカバーするものです。食費、光熱費、衣服費などの基本的な生活費が含まれます。支給額は世帯人数や地域によって異なりますが、例えば、母子2人世帯の場合:

都市部での支給例:

  • 基本生活費:月額約13万円
  • 子どもの年齢による加算
  • 母子加算:月額約2万円
  • 期末一時扶助(年2回)

住宅扶助の活用:
住居費用を支援する扶助です。実際の家賃に応じて支給されますが、地域ごとに上限額が定められています:

具体的な支援内容:

  • 賃貸住宅の家賃
  • 共益費・管理費
  • 敷金・更新料
  • 必要な修繕費

特に重要なのは、転居に伴う費用も支給対象となることです。より安価な住居への転居や、子どもの通学に便利な場所への転居など、生活改善のための住居変更も支援されます。

教育扶助の特徴:
子どもの教育に関する費用を支援する扶助です。義務教育期間中の教育費用が対象となります:

支給される費用:

  • 教科書・学用品費
  • 通学用品費
  • 学校給食費
  • 通学交通費
  • 校外活動費
  • クラブ活動費

この扶助の特徴は、学校での必要経費を幅広くカバーしていることです。子どもが教育機会を失うことなく、学校生活を送ることができるよう配慮されています。

住居確保給付金

この制度は、住居を失うおそれのある方に対して、家賃相当額を有期で給付する制度です。特にひとり親世帯の場合、子どもの生活環境の安定を重視した支援が行われます。

給付の条件と内容:
支給額は世帯人数や地域の家賃相場によって異なりますが、実際の家賃額(上限あり)が支給されます。

支給期間と条件:

  • 原則3か月間の給付
  • 最長9か月まで延長可能
  • 求職活動等の要件あり
  • 収入要件の確認

東京23区の場合の支給例:

  • 単身世帯:上限53,700円
  • 2人世帯:上限64,000円
  • 3人世帯:上限69,800円

この給付金の特徴は、実際の家賃額に応じた給付が行われることです。ただし、地域ごとに定められた上限額を超える部分については、自己負担となります。

支給要件の詳細:
給付を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります:

収入に関する要件:

  • 世帯収入が基準額以下
  • 預貯金が基準額以下
  • 求職活動を行っていること

例えば、2人世帯の場合:

  • 月収が13.8万円以下(目安)
  • 預貯金が50万円以下
  • ハローワークへの求職申込が必要

居住実態の要件:

  • 現に住居を有していること
  • 賃貸借契約があること
  • 家賃の滞納がないこと

特に重要なのは、この給付金が「住居を失うおそれ」を未然に防ぐための予防的な支援という点です。家賃の支払いが困難になりそうな段階で、早めに相談することが推奨されます。

1 2 3 4 5 6 7 8 9
よかったらシェアしてね!
目次